すっぽん料理の提供を検討している料理人の皆さん。定番のすっぽん鍋に雑炊はもちろん、刺身や塩焼き、生き血などすっぽん料理は様々。滋養強壮に良いとされる「すっぽん」、特別な一品としてお客さんに喜ばれること間違いなしです。
しかし、すっぽんは高級食材なだけに、仕入れ値によっては提供が難しいことも。いかに低価格で仕入れられるかが最初のポイントでもある訳です。すっぽんを少しでも安く仕入れるには、販売元である養殖場の比較が欠かせません。
そこで、今回は全国の養殖場を調査し、激安なところはどこなのか「すっぽんの販売価格」を比較してみました。
▶︎目次
1.すっぽんの販売価格比較
すっぽんが「高級食材」なのは間違いありません。養殖物であっても高級品です。だからこそ、養殖場を比較し少しでも販売価格の安いところを探すべき。では、全国にある販売価格を明記してある養殖場の比較結果を見ていきましょう。
※「生きすっぽん」が記載されていないものに関しては、養殖場に直接問い合わせしてください。
(株)服部中村養鼈場
静岡県浜松市、自然豊かな「浜名湖」を利用した養殖場が「(株)服部中村養鼈場」です。1830年創業の老舗養殖場で、調理用だけでなく「すっぽんスープ」や「まるごとすっぽん(サプリメント)」などの製造・販売もしています。
- 加工済み(2〜3人前)…4,104円(税込)/約200g
- 加工済み(3〜4人前)…6,264円(税込)/約400g
辻村スッポン養殖場
福岡県田川郡糸田町、1,500坪の大規模養殖場なのが「辻村スッポン養殖場」です。九州地方を中心に、全国の料理店にすっぽんを販売しています。また、加工済みのすっぽんでは珍しい「血入り」の販売にも対応可能です。
- 生きすっぽん(1匹)…3,900円(税別)/約1kg
- 加工済み(生肉、血入り)…5,500円(税別)/900g
- 加工済み(冷凍・血なし)…4,500円(税別)/900g
小川スッポン養殖場
熊本県宇城市小川町、より自然環境に近いとされる「露地養殖」を採用しているのが「小川スッポン養殖場」。3年〜4年ほどかけ、1kgサイズのすっぽんを販売しています。ただし、生きすっぽんは季節によって売り切れのことがあります。
- 生きすっぽん(メス1匹)…4,000円(税込)/約1kg
- 生きすっぽん(オス1匹)…3,900円(税込)/約1kg
- 加工済み(冷凍、血なし)…4,300円(税込)/約900g
- 加工済み(冷凍、血なし)…2,200円(税込)/約400g
- 加工済み(冷凍、血入り)…5,300円(税込)/不明
耶馬溪すっぽん
大分県中津市、綺麗な景観で有名な「耶馬溪」にある養殖場が「耶馬溪すっぽん」。裏耶馬溪の天然温泉水ですっぽんの養殖を。温泉水で育ったすっぽんは川魚特有の泥臭さが少ないようで、初めての方でも安心して食べられます。
- 生きすっぽん(成体)…3,780円(税込)/1kg
- 生きすっぽん(幼体)…500円(税込)/100g
- 加工済み(約8人前)…9,000円(税込)/約1,700g
- 加工済み(約4人前)…4,500円(税込)/約850g
みちのくすっぽん
福島県南相馬市、すっぽんの仕入れ・加工・販売までを行っているのが「みちのくすっぽん」。すっぽんは佐賀県の養殖場から仕入れています。調理用だけでなく、すっぽんドリンクや粉末・カプセル、卵の塩漬けなどの加工品の販売も。
- 加工済み(約2〜3人前)…5,400円(税別)/400g
- 加工済み(約4〜5人前)…7,560円(税別)/700g
若狭すっぽん
福井県三方上中郡、コンクリートを使用しない自然の「露地池」で養殖しているのが「若狭すっぽん」です。近畿地方の名水「北川水系」を利用してすっぽん養殖を。また、すっぽん鍋用の他に、「すっぽん自然薯そば」も販売しています。
- 加工済み(約1〜2人前)…5,400円(税別)/800g
- 加工済み(約2〜3人前)…8,640円(税別)/950g
- 加工済み(約3〜4人前)…10,800円(税別)/1,100g
- 加工済み(約4〜5人前)…16,200円(税別)/2,200g
奥さつますっぽん養殖場
鹿児島県薩摩川内市、すっぽん養殖を開始して5年目の「奥さつますっぽん養殖場」。奥薩摩の一級河川「川内川」は自然豊かで、人里離れた環境ですっぽん養殖をしています。他の養殖場に比べて値段的には激安の部類です。
- 生きすっぽん(1匹)…3,000円(税別)/約800g
- 生きすっぽん(1匹)…3,500円(税別)/約1kg
長崎淡水 すっぽん養殖場
長崎県西海市、海と山に囲まれた独自の環境にあるのが「長崎淡水 すっぽん養殖場」です。すっぽん一筋50年の「知識」と「経験」により、自然環境に近い養殖場でありながらも季節に関わらず1年を通して大口注文にも対応しています。
- 生きすっぽん(1匹)…4,000円(税別)/約1kg〜
- 生きすっぽん(5匹)…20,000円(税別)/約5kg〜
- 加工済み(冷凍、1匹)…5,300円(税別)/800g〜
- 加工済み(冷凍、2匹)…10,600円(税別)/1,600g〜
2.「生きすっぽん」「加工済み」どちらにすべきか?
今回、全国にある主要なすっぽん養殖場の販売価格をまとめてきました。「生きすっぽん」と「加工済み」の大きく分けて2種類あることが分かったはず。では、結局のところ、すっぽんを仕入れるのであればどちらが魅力的なのでしょうか?
鮮度で選ぶなら「生きすっぽん」
鮮度で選ぶのなら「生きすっぽん」が魅力的です。
すっぽんは鮮度の落ちやすい食材なため、冷凍してあっても多少は劣化してしまいます。まして、食の安全を考えるのであれば、加工済みの生き血を提供するのは食中毒のリスクが。加工済みでは提供できる料理に制限がかかります。
その点、生きすっぽんであれば自分の目で確認しながら捌き、より安全なものを提供できます。すっぽん鍋や塩焼きなどに関わらず、生き血や刺身など生のままの提供も可能。また、養殖場直送であれば生きすっぽんが値段もお得です。
手軽さで選ぶなら「加工済み」
手軽さで選ぶのなら「加工済み」も魅力的です。
すっぽんは特殊な食材で、爪など一部を除いてほぼ全ての部位が食べられます。しかし、適切に捌き、調理するにはそれなりの専門技術が。生きすっぽんではさらに管理が難しく、扱いによってはお客さんに提供できなくなってしまいます。
反対に、「すっぽん鍋用」のように加工済みであれば捌く必要もなくすぐ手軽に調理できます。最近の輸送技術、冷蔵技術も発達しているので、生きすっぽんに近い鮮度で届けられることも。値段は少し高くなりますが、十分にお得です。
3.まとめ
すっぽんは「高級食材」なだけに、提供する側としてもよりシビアな目利きが求められます。また、少しでも手軽に食べられるよう、値段を抑える努力もしたいところ。小売業者を間に入れるよりも、「養殖場」から直接仕入れるのがお得です。
しかし、「すっぽん 養殖場」と検索すると分かりますが、全国に10箇所以上がヒットします。直接確認するのが一番ですが、難しいようならホームページから確認を。販売価格の他に、養殖や輸送方法などを確認した上で判断すべきです。
紹介したすっぽん養殖場は、全国的にも規模の大きなところばかりなので、養殖場選びの参考にしてみましょう。
ちなみに、「長崎淡水 すっぽん養殖場」では安くて鮮度がいいだけでなく、独自の養殖技術により「1年間を通して安定した生産量」を確保しています。すっぽんの冬眠時期でも出荷可能なので、ぜひ安心してお問い合わせください。
2018年10月16日